再びひっそり・・・

夕方、義姉とその上の子が帰るとき、
3人で送っていくことにした。
クルマを降りると、風が強く寒かった。
駅がすぐそこのところに来て、
じょーじはそれ以上行くのを嫌がった。
出かけるときはあれだけ行くと騒いでたのに。
きっと、帰ってしまうことが寂しくて
「寒いから帰りたい」という言葉で
ごまかしたのだろう。
帰り際、「じじはもういないから
仕様がないじゃん」と、何度もつぶやいていた。
じじに対する想いは、ややもすると
じょーじのほうが大きかったかもしれない。
家に帰ると、近所のじょーじが好きなおばさんが
来てくれていて、幾分機嫌が直ったが
帰ってしまうと、また4人だけになった。
ひとがひとりでも欠けると、やはりひっそりするものだ。
やはりこの家は、喧嘩しても大声出しても
ガヤガヤした雰囲気のほうがよく似合う。